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O-11 副膵管領域のIPMAに合併した膵体部PanIN3の一例

薬師寺直哉1),廣瀬 勝也1),多田 大和3),橋本 道代1),天野 穂高2),岩尾 年康1)
会津中央病院 消化器内科1),会津中央病院 肝胆膵外科2),自治医科大学付属病院 消化器内科3)


症例は83歳、男性。食欲不振、右季肋部痛を主訴に近医受診。CT上、結石性胆管炎を疑われ当科紹介となった。
造影CTでは、下部胆管に結石を疑う高吸収あり、主膵管・副膵管の拡張を認め、副膵管内に造影効果を伴う隆起を認め、膵体部に分枝拡張を疑う低吸収域も認めた。ERCPにて、EST、バルーンカテによる採石術を施行した。その際に施行したEUSにて、副膵管内に14mm大の膵管内に発育する隆起性病変あり、一部膵実質への浸潤を認めた。また膵体部に膵分枝拡張を認めた。後日、ERP再検し、副膵管に沿って発育する隆起性病変、分枝拡張を認め、膵液細胞診にて、悪性疑いであった。体部の主膵管に異常は認めず、分枝拡張を疑う所見もなかった。
副膵管のIPMCの診断で膵頭十二指腸切除術を施行した。病理では、副膵管からその分枝にかけてIPMAを認め、膵体部の分枝にPanIN3を認めた。その両者間の主膵管、分枝膵管には異形上皮を認めなかった。
切除前に膵体部PanIN3を予測できたか、副膵管IPMAと体部PanIN3は関連のない病変なのかを、議論して頂きたい。