室内の明るさに合わせてページ背景の明るさを調整してください。


P-24 膵リンパ上皮嚢胞の1切除例

河合 永季,伊東 昌広,浅野 之夫,荒川  敏,近藤 ゆか,志村 正博,林  千紘,越智 隆之,神尾健士郎,安岡 宏展,堀口 明彦
藤田医科大学ばんたね病院


健診にて腫瘍マーカー(CA19-9)の上昇を指摘され、近医受診。各種画像検査にて、膵リンパ上皮嚢胞が疑われるも、Follow up検査にて腫瘍の増大傾向と腫瘍マーカーの上昇を認め、手術目的にて当院紹介となった。腹部USにて膵頭部に血流豊富な24.4×23.4㎜の腫瘤を認め、内部はモザイク様であった。CT所見にて、腫瘍は膵頭部にあり24×23㎜大、腫瘍内部はplainでiso density、動脈相にてhyper vascular、造影される被膜・隔壁を認めた。主膵管は軽度拡張認め、腫瘍により前面へ圧排されていた。EUS所見では膵頭部と連続する腫瘤を認め、腹部USと同様の所見であった。MRI所見にてT1強調像にて低信号、T2強調像にて高信号で内部に一部隔壁を伴い不均一であった。T2coronal・MRCP画像にて主膵管、下部胆管の圧排あり、総胆管~肝内胆管の拡張は認めなかった。
PET-CTにて明らかな集積は認めなかった。以上より、膵リンパ上皮嚢胞を疑うもCA19-9が449 U/mlと高値であり、腫瘍の増大傾向を認めていたため手術方針とし、SSPPDを施行した。病理学的所見では、クリアセル細胞が充実性胞巣、腺腔様構造をとって増生しており膵リンパ上皮嚢胞と診断、核は円形でクロマチンの増生、核小体あり、分裂増は目立たず悪性所見は認めなかった。比較的稀な膵リンパ上皮嚢胞の1切除例を経験したため若干の文献的考察を加えて報告する。