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P-28 術前にIPMN合併浸潤性膵管癌と診断したIPMN由来浸潤癌の1例

永松 賢祐1),宮田 英樹1),山子 泰加1),岩﨑竜一郎1),植木秀太朗1),河崎 秀樹2),木藤 克己3)
愛媛県立中央病院 消化器内科1),愛媛県立中央病院 消化器外科2),愛媛県立中央病院 病理診断部3)


症例は80歳代、女性。20XX年に他院から膵体部および膵尾部に多発する分枝型IPMNとして紹介され、悪性所見がなかったためMRCPにて半年間隔でfollowしていた。1年後2回目のMRCP followにて膵体部のう胞の尾側主膵管狭窄と尾側膵管の軽度の拡張を認めたため、EUSにて精査した。EUSでは、膵体部のう胞に隣接して直径6mm程度の低エコー領域を認め、尾側主膵管は同部位から拡張していた。ソナゾイド検査で同部位は造影されなかった。膵液細胞診のため、ERCPを施行した。ERPでは膵体部主膵管はのう胞に伴う圧排狭窄の所見と尾側膵管の拡張所見を認めた。主膵管拡張は滑らかであったが、拡張部頭側の主膵管狭窄には硬化像があった。ERCP後に行ったdynamic−CTではのう胞に隣接する腫瘤は指摘できなかった。ERCP時に行った膵液細胞診にてadenocarcinomaと診断されたため、分枝型IPMNに合併したTS1膵癌と術前診断し、当院外科にて脾合併膵体尾部切除を施行した。病理組織学的には、切除膵ほぼ全長に及び膵管内腫瘍を認め、一部には乳頭状増殖を認めた。比較的拡張が強い大型膵管には胆膵型、小型膵管には胃型の上皮を認め、両者が混在していた。浸潤部は分枝膵管からの移行像を認めたため、IPMN由来浸潤癌と診断した。討論して頂きたいポイントはIPMN由来浸潤癌でよいか?についてお願い致します。