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O-7 主膵管狭窄を呈した小型Neuroendocrine carcinomaの1例

井上  薪,中路  聡,岩崎 巨征,吉村 壮平,吉岡  航,川満菜津貴,
吉村 茂修,白鳥 俊康,平田 信人,真口 宏介
亀田総合病院消化器内科


症例は70歳女性。検診で主膵管拡張と膵酵素上昇を指摘され、精査目的で当科紹介受診となる。採血でAMY260 IU/L、LIP599 IU/Lと高値を認め、腫瘍マーカーは正常値範囲内であった。造影CTでは膵実質相で膵頭部に10mm大の乏血性腫瘤を認め、腫瘤より尾側膵管は5mm程度の拡張を呈していた。MRIでは腫瘤の同定は困難でDWIでも拡散制限は認めなかった。EUSでは膵頭部に10mm大の低エコー腫瘤を認め、輪郭は比較的整、境界がやや不明瞭で腫瘤により主膵管狭窄を呈していた。画像所見から通常型膵管癌を疑い、ERPを施行すると、膵頭部主膵管に圧排性の狭窄、分枝欠損を認めた。同時に膵管生検を施行し、わずかな異型細胞を認め、免疫染色chromograninAで染まり、NENと診断した。幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した。術後検体ではNeuroendocrine carcinoma with a focus of ductal adenocarcinomaの診断であった。
・検討したいポイント
腫瘤の大部分でNEC成分を認めたが、腺癌部も認められた。先行する腺癌からNECへ分化したものと考えるか、もしくは衝突癌と考えられるか議論頂きたい。