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P-19 胆管内腫瘍栓を形成した浸潤性膵管癌の一例

石田 友葵1),比佐 岳史1),工藤 彰治1),山田 崇裕1),友利 彰寿1),福島 秀樹1),奥井 紀光2),鈴木 文武2),橋詰 香瑠3),塩澤  哲4)
佐久医療センター消化器内科1),佐久医療センター消化器外科2),佐久医療センター放射線診断科3),佐久医療センター病理診断科4)


症例は60歳代、女性。皮膚黄染、褐色尿にて近医受診し、精査加療目的に当科紹介となった。USでは膵頭部に約20mm大の輪郭明瞭、整、中心部に嚢胞変性を伴う類円形低エコー腫瘤を認めた。腫瘤は、造影CT早期相より濃染し、後期相まで造影効果が持続していた。MRIにて、腫瘤辺縁の充実部はT1強調像で等信号、T2強調像で低信号を呈し、拡散能低下を伴っていた。一方、腫瘤中心の嚢胞変性部は水信号を示した。EUSでは、遠位胆管内腔に腫瘤から連続する隆起を認め、腫瘍栓と考えられた。ERCでは遠位胆管にカニ爪状造影欠損を認めた。EUS-FNAにて腺癌を認め、免疫染色ではChromogranin A陰性、NCAM陰性、シナプトフィジン弱陽性であった。MiNENなど併存腫瘍の可能性を考慮し、膵頭十二指腸切除術を施行した。病理組織学的には浸潤性膵管癌・腺癌であった。
討論のポイント:嚢胞変性、早期濃染、胆管内腫瘍栓を示した理由