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P-20 分葉状の有茎性ポリープを呈した胆嚢神経内分泌腫瘍の一例

岩野 光佑1),石井 達也1),金  俊文1),林   毅1),高橋 邦幸1),高田  実2),安保 義恭2),太田  聡2,3),篠原 敏也1,3),潟沼 朗生1)
手稲渓仁会病院消化器病センター1),手稲渓仁会病院外科2),手稲渓仁会病院病理診断科3)


症例は48才男性。検診の腹部USで胆嚢ポリープを指摘され、当センター紹介となった。USでは胆嚢底部に25mm大の分葉状で内部均一な高エコーの隆起性病変を認め、造影CTでは動脈相から平衡相まで持続する造影効果を認めた。超音波内視鏡検査で同腫瘤は分葉状の有茎性病変であり、内部エコー輝度は周囲肝と同程度で、腫瘤内部に高エコースポットや無エコー領域を伴っていた。ソナゾイド造影下にSuperb microvascular imagingを施行したところ、腫瘤内に蛇行や口径不同などの不整に乏しい微小血管を認めた。経乳頭的経鼻胆嚢ドレナージチューブ留置下に胆嚢内胆汁洗浄細胞診を提出したが異型細胞は検出しなかった。以上より、コレステロールポリープや線維性ポリープなど良性腫瘍を疑ったが、腫瘤径から悪性を否定できなかったため腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した。摘出標本の肉眼所見では、胆嚢底部に分葉状の有茎性病変を認め、クリスマスツリー様の形態を呈していた。病理組織学的所見では、小型の類円形核を有する腫瘍細胞がリボン状、索状構造をなして増殖し、免疫染色ではchromogranin A、synaptophysin陽性、Ki-67標識率1%以下であることから胆嚢神経内分泌腫瘍(GNEN)G1と診断した。