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O-07 門脈浸潤および胆管内進展を認めた肝内胆管癌(腫瘤形成型+胆管内発育型)の1例

関根 匡成1)、藤原 純一1)、野田 弘志2)、力山 敏樹2)、眞嶋 浩聡1)
自治医科大学付属さいたま医療センター 消化器内科1)、自治医科大学付属さいたま医療センター 消化器外科2)


【症例】70 歳代男性。【主訴】なし( 検診異常)。【現病歴】検診にて肝胆道系酵素上昇を指摘され、近医受診となった。近医施行のCT で肝門部胆管癌の診断になり、ERCP を施行されたが、膵管挿管のみで終了となり、翌日ERCP 後膵炎発症したため当院に転院となった。当院にてCT 、EUS を施行。ERCP 後膵炎は予後因子1 点(年齢)、CTgrade2 の重症膵炎として治療開始した。CT では、右葉に40㎜大の濃染される腫瘍を認め、内部に壊死を認めた。腫瘍の一部は胆管内に進展していた。右門脈が腫瘍浸潤により確認できず、右葉は委縮し、左葉が代償性に軽度腫大していた。EUS でも肝門部付近で肝右葉から総胆管に突出する乳頭様の造影される腫瘍を認めた。EUS 上は遠位胆管壁への腫瘍進展は認めなかった。膵炎の改善を待ち、ERCP を施行した。右肝管は描出できず、IDUS で遠位胆管への腫瘍の突出を確認した。ENBD からの細胞診はすべて陰性であったため、再度ERCP で透視下に腫瘍生検を施行したが結果は陰性であった。画像上、肝内胆管癌 ( 腫瘤形成型+ 胆管内発育型) の診断にて拡大肝右葉切除を施行した。病理結果は混合型肝癌が鑑別に挙がったが、最終的に肝内胆管癌の診断となった。討論をお願いしたい点・病理診断の際に混合型肝癌も鑑別に挙がったが、診断として肝内胆管癌でよいか。・肝内胆管癌であった際に画像診断上、病理診断上、共に腫瘤形成型+胆管内発育型でよいか。ご検討をよろしくお願いいたします。