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O-09 胆管周囲付属腺由来と考えられたIPNBの1例

大畠 昭彦1)、安田 和世2)、景岡 正信1)、吉井 重人1)、寺井 智宏1)、星野 弘典1)、矢野 庄悟1)、稲垣 圭佑1)、山田 裕1)、丸山 保彦1)
藤枝市立総合病院 消化器内科1)、藤枝市立総合病院 病理診断科2)


【症例】 72 歳 男性検診US で肝嚢胞と膵嚢胞を指摘され受診された。肝嚢胞はperibiliary cyst、膵嚢胞はIPMN と診断しfollow となった。約2 年経過しMRCP でperibiliary cyst と思われていた部分の胆管拡張、壁内結節の増大を認め精査となった。MRI では、肝左葉B3 領域に長径6cm の多房性嚢胞を認める。中心に15mm の結節を疑う。CT では多房性嚢胞の中心部は淡い造影効果認めた。CEUS では結節部分は早期に濃染し後期相になると肝実質よりやや低下。ERC では肝左葉の嚢胞性病変、B3 は描出されなかった。胆汁細胞診は擬陽性。IPNB を疑い、肝外側区域切除を施行した。【病理】嚢胞性病変は42 × 17mm で、胆管内部に高円柱状の腫瘍細胞が乳頭状に増殖していた。浸潤は認めず、MUC1(−)、MUC2(−)、MUC5AC(+)、MUC6(+)であった。付属腺内の一部に腫瘍細胞がみられ、HepPar1 が腫瘍細胞に陽性であった。付属腺由来のIPNB(Gastric type)high grade dysplasia と診断した。【考察】膵の分枝型IPMN に対する分枝型IPNB として、付属腺に病変の主座を置くIPNB が相当するのではないかという報告がみられ、本症例は付属腺由来のIPNB の可能性がある病変と考えられた。【検討事項】本疾患は付属腺由来のIPNB としてよいか。