室内の明るさに合わせてページ背景の明るさを調整してください。


PS-1 (O-10) 肝転移巣でNEC分化し、興味深い画像を呈した肝門部領域胆管癌の1例

大西 佳文1)、石田 典仁1)、榎澤 哲司1)、松田 浩二1)、宮原 利行2)、角 泰廣2)、中野 浩2)、山野 三紀3)、斎藤 光次4)
国立病院機構静岡医療センター 消化器内科1)、国立病院機構静岡医療センター 外科2)、国立病院機構静岡医療センター 病理3)、帝京大学病院病理4)


(症例)80 歳男性(経過)2018 年4 月下旬、閉塞性黄疸で受診。エコーで肝S7 に5cm 大、均一高エコー腫瘍と肝門部領域に3cm 大、不均一低エコー充実腫瘍と肝内胆管拡張を認めた。肝胆道系酵素の上昇、CEA, CA19-9 , NSE が高値であった。CT では、肝門部腫瘍は、胆管に接し外側隆起し、辺縁部のみ早期造影効果を認めたが、大部分は遅延性造影効果であった。S7 腫瘍は、中心部を除き大部分は早期造影効果を有し、平衡相で低吸収を示した。MRI 拡散強調像では、造影効果に富む部位は共に拡散低下が強く、乏しい部位は拡散低下が弱い、強弱の混在信号域を呈した。EUS-FNA、ERCP 下POCS 生検では乳頭状腺癌で、免疫染色CD56 が一部陽性であった。S7 肝針生検では、胞巣状形態と粘液腺癌領域を認め、前者はsynapt(+),chromA(+),Ki-67>20% 後者はCK7(+),CD56(partial+) で肝門部領域胆管癌、肝転移NEC と診断した。オクトレオキャンでは、肝転移巣は全て集積を認めた。化学療法を開始したが、4 ヶ月で死亡退院された。(考察)1. 原発巣は粘膜下腫瘍様形態が特徴的である。2. 肝転移巣はMANEC で、拡散強調画像が特徴的であった。3. 肝転移巣のオクトレオスキャンと病理組織の対比は興味深い。