室内の明るさに合わせてページ背景の明るさを調整してください。


PS-3 (O-12) Oncocytic型IPNBの一切除例

佐藤 高光1)、栗田 裕介1)、長谷川 翔1)、細野 邦弘1)、大橋 健一2)、遠藤 格3)、中島 淳1)、窪田 賢輔1)
横浜市立大学附属病院 肝胆膵消化器病学1)、横浜市立大学附属病院 病理部2)、横浜市立大学附属病院 消化器外科3)


症例は60 歳女性。不明熱の精査で肝腫瘤を指摘された。MDCTでは左葉内側区から肝門部にかけ大きさ65㎜の嚢胞性腫瘤を認め、内部に隔壁様構造と早期相から造影される結節部分が混在していた。造影EUSでは腫瘍はB4を主座とし、嚢胞は共通の被膜ではなく集簇し、内部にソナゾイドで静注15 秒から均一に染濃される結節部分を内包していた。門脈、肝動脈に浸潤は認めなかった。ERCに引き続きPOCSを行った。総胆管管内に粘液を認めたが、B4入口部からいくら状上皮を確認した。腫瘍はB4に限局し他区域に進展を認めなかった。MDCTでは尾状葉、左肝動脈浸潤を疑い、肝左三区域尾状葉切除が施行された。腫瘍は割面で嚢胞状の胆管拡張と嚢胞内に結節性腫瘍が充満していた。上皮細胞は乳頭状に好酸性顆粒状細胞質を有し粘液を認めた。免疫染色ではMuc 2 陰性、MUC5AC及びMUC6陽性であり、極めて稀であるOncocytic type 型のIPNBであった。異型はCIS相当のものから低異形線種も含まれたが、明らかな浸潤癌の所見は見らなかった。術前のEUS、POCS 画像を提示しその有用性を示したい。