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P-04 膵体部粘液癌術後26ヶ月目に残膵再発した膵粘液癌の一例

新井田 憩、奥薗 徹、冨樫 純一、阿部 洋子、中堀 昌人、松田 知己
仙台厚生病院 消化器内科


【症例】症例は60 代男性。X 年10 月、当院外科にて膵体部粘液癌に対して膵体尾部切除術施行。stageIIB で断端陰性だった。術後補助化学療法としてS1 を4 コース施行し、半年毎のCT 検査にてfollow していた。術後26 ヶ月目のCT にて残膵に17mm 大の低吸収域を認めたため精査目的に当科紹介となった。術後29 ヶ月目に当科で施行したCT では膵頭部に22mm 大の乏血性腫瘤を認めた。MRI ではT1 強調像にて低信号、T2強調像にて高信号で描出されたが、MRCP では主膵管の狭窄とその尾側膵管拡張は認めたものの狭窄部には明らかな高信号は認められなかった。PET-CT では同部位に明らかなFDG 集積は認められなかった。EUSでは膵頭部主膵管は途絶しその尾側で拡張を認めた。途絶部位に不明瞭ながら後方増強を伴う22 × 25mm大のやや高エコーな腫瘤を認めた。ソナゾイド造影では20 秒後より隔壁を伴う小嚢胞の集簇を認めた。既往歴より膵粘液癌再発と疑われ、術後30 ヶ月目で当院外科にて残膵全摘出術を施行された。病理学的所見では病変部主膵管に近接して22mm 大の粘液湖の集簇が認められ、前回と同様の所見が見られたため膵粘液癌の残膵再発と診断された。また複数のリンパ節転移も認められpT2N1bM0、StageIIB と診断された。【検討希望項目】今回は膵体部粘液癌の術後だったため術前診断可能だったが、画像のみで診断可能であったかご検討いただきたい。