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P-08 経時的な画像変化を来した膵神経内分泌腫瘍の1例

勝田 泰志郎1)、福地 聡士1)、森 圭依1)、広島 康久1)、林 友和1)、木下 慶亮1)、梶本 展明1)、岡本 和久2)、村上 和成2)
大分アルメイダ病院 消化器内科1)、大分大学医学部附属病院 消化器内科学講座2)


症例は63 歳女性.2016 年の冠動脈CT 検査時に膵嚢胞を指摘され,精査目的に当科紹介となった.腹部ダイナミックCT 及びEUS で膵体部に11mm 径の単房性膵嚢胞性病変を認め,嚢胞壁の肥厚はなく造影効果も判然とせず,その他膵に特記所見は認められず経過観察とした.6 ヶ月後の経過観察時は性状に変化は認められなかったが,16 ヶ月後のEUS で嚢胞壁の血流を有する均一な壁肥厚,嚢胞腔の縮小を認めた.EUS上では充実性腫瘍の嚢胞変性を疑う所見で,腹部ダイナミックCT でも造影効果を有する嚢胞壁の肥厚を認めた.嚢胞性病変の充実性変化という興味深い経時的変化を来しており,各種画像所見上は膵神経内分泌腫瘍(P-NET)を含めた嚢胞変性を伴う充実性病変が疑われた.外科的加療の必要性を含めて本人に説明を行い,大分大学附属病院での精査加療を希望された.同院でのEUS-FNA でP-NET G1 の診断となった.本症例のように嚢胞性病変より充実性変化を来した膵神経内分泌腫瘍(P-NET G1)の機序や画像所見と病理所見との関連性について討論いただきたい.