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P-22 膵尾部に生じた悪性リンパ腫の1例

松永 望1)、池田 秀次1)、北川 晃1)、泉 雄一郎1)、萩原 真清1)、木村 純子1)、太田 豊裕1)、鈴木 耕次郎1)、井上 匡央2)、露木 琢司3)
愛知医科大学 放射線科1)、愛知医科大学 肝胆膵内科2)、愛知医科大学 病理診断科3)


症例は50 歳代女性。腹部膨満、発熱、倦怠感を主訴に近医受診し、エコーで腹部腫瘤を指摘され当院紹介受診された。血液検査所見では炎症反応の上昇や軽度のHb 低下を認める以外は特記すべき異常値は示さなかった。ダイナミックCT を施行し、膵尾部から足側に突出する10cm 大の辺縁平滑な分葉状腫瘤を認めた。腫瘤は膵実質相で膵実質よりも低吸収な造影効果を呈し、門脈相と平衡相では等〜低吸収を呈していた。腫瘤内部を脾動脈と脾静脈が狭窄することなく走行していた。MRI では、腫瘤はT1 強調像で膵実質より軽度低信号、T2 強調像で軽度高信号を呈し、拡散強調像で拡散低下を認めた。MRCP で膵尾部の主膵管は腫瘤内を閉塞せずに走行していた。FDG-PET では膵尾部腫瘤にSUVmax 23 の強い集積を認めた。EUS-FNA が施行され、病理組織検査では大型異型リンパ球が増殖し、免疫染色で細胞膜にCD20 抗原を有しており、びまん性大細胞型B 細胞リンパ腫と診断された。膵悪性リンパ腫は膵悪性腫瘍の0.1 〜 0.6% 程度と稀な疾患であり、文献的考察を加えて報告する。