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P-29 EUS−FNAで診断し得た十二指腸乳頭部神経内分泌腫瘍の1例

千葉 和朗1)、菊山 正隆1)、吉本 憲介1)、来間 佐和子1)、神澤 輝実1)、土井 愛美2)、大目 祐介2)、脊山 泰治2)、堀口 慎一郎3)
がん・感染症センター都立駒込病院 消化器内科1)、がん・感染症センター都立駒込病院 外科2)、がん・感染症センター都立駒込病院 病理科3)


【背景】十二指腸乳頭部腫瘍に対する内視鏡視下生検の正診率は62-82%と報告されている。今回、我々はEUS-FNA で診断し得た十二指腸乳頭部原発神経内分泌腫瘍の1 例を経験したので報告する。【症例】60 歳、女性。検診の採血で肝障害を指摘されたために紹介元病院を受診した。腹部造影CT では下部胆管に狭窄が疑われたためERCP を施行し、胆管生検・胆管擦過細胞診を施行し胆管ステントが挿入された。また十二指腸乳頭部には陥凹を認め同部からも生検を行ったがいずれの検体からも診断がつかなかった。精査目的に当院を紹介受診した。MRI では十二指腸乳頭部にT2WI で高信号、diffusion では同部位に拡散制限を認めた。当院で施行したEUS(1 回目)では胆管ステントの影響で十二指腸乳頭部の詳細な観察ができなかったが近傍に15㎜大の類円形の低エコーを認め腫大リンパ節と考えた。同病変に対してEUS − FNA を行い神経内分泌腫瘍の診断だった。原発巣同定目的にEUS の再検を行ったところ十二指腸乳頭部に12㎜大の低エコー腫瘤を認めEUS-FNA で同様の神経内分泌腫瘍の診断となった。尚、既存の胆管ステントは胆管内に迷入していたため同日胆管ステントの交換を行った。その後、当院外科で膵頭十二指腸切除を行った。術後診断は十二指腸乳頭部原発 Neuroendocrine tumor, grade2 の診断だった。術後は再発なく経過している。