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P-41 検診内視鏡で指摘された胆嚢肉芽種性polypの1切除例

石田 典仁1)、大西 佳文1)、榎澤 哲司1)、松田 浩二1)、石上 雄太2)、宮原 利行2)、角 泰廣2)、中野 浩2)、山野 三紀3)、斎藤 光次4)
国立病院機構静岡医療センター 消化器内科1)、同 外科2)、同 病理3)、帝京大学 病理4)


(症例)65 歳男性(経過)2018 年6 月、検診下部消化管内視鏡検査で、上行結腸15mm 大Isp ポリープのみEMR 不能とされ、ESD 目的に紹介入院となった。既往歴は2015 年急性胆嚢炎で保存的加療。血液は、肝胆道系酵素や腫瘍マーカーの異常なし。CT では、右側結腸に明らかな異常はなく、胆嚢は萎縮、低形成で内部に小結石を認めた。MRCP では胆嚢管は描出されたが内腔は不明であった。精査下部消化管内視鏡の拡大NBI では、円形から楕円形の腺窩辺縁上皮によるfoveola type の表面微細構造と窩間部の微小血管から形成され、通常の大腸pit pattern は観察されなかった。生検では過形成polyp ないしinflammatorymyoglandular polyp が疑われたが、免疫染色MUC1,5AC,6,S100P が陽性、CK7 陽性、MUC2 陰性であった。以上から大腸粘膜由来ではないと考え、再度CT、EUS を行い胆嚢結腸瘻による胆嚢polyp と診断し、萎縮胆嚢、胆嚢結石を含め、胆嚢摘出術、結腸部分切除術を施行した。標本では、瘻孔部から結腸粘膜内に突出した13 x9mm 表面顆粒状のpolyp であった。組織では、胆嚢壁の一部は筋層を伴い結腸内腔に隆起し、表面は胆嚢粘膜に被覆されていた。固有筋層には線維芽細胞の増生と付属腺のみで異型細胞は認めなかった。免疫染色CK20 とCK7 で明瞭なフロント形成を認めた。(考察)2016 年CT を考慮し、胆嚢炎による結腸瘻形成後、胆嚢壁が結腸内に露出、高度な肉芽性炎症性変化によるpolyp が形成されたと推察した。