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P-42 胆嚢癌術後約1年で上部胆管に発症したIPNBの1例

髙木 亮1)、小橋川 嘉泉1)、伊志嶺 朝成2)、亀山 眞一郎2)、伊禮 俊充2)、本成 永2)、松崎 晶子3)
浦添総合病院消化器病センター 内科1)、浦添総合病院消化器病センター 外科2)、琉球大学大学院 医学研究科腫瘍病理学講座3)


症例は70 歳代,男性。約1 年前に胆嚢癌に対して胆嚢摘出術を当院で施行し,病理診断はGb, Papillarytype, 15 × 11mm, tub1, pT1a, ly0, v0, pCM0,pStageI であった。術後11 か月のCT にて上部胆管内に造影効果のある腫瘤が出現し,ダイナミックCT では腫瘤は単純で軽度高吸収域,後期動脈相から造影され平衡相まで遷延する造影効果を認めた。血液検査では黄疸や肝機能障害を認めず,腫瘍マーカーも正常範囲内であった。腹部エコーでは胆管腫瘤は描出できなかった。MRI ではheavy T2WI で上部胆管内に長径約12mm の陰影欠損像を認め,DWI でわずかに拡散制限を認めた。EUS で上部胆管内に乳頭状の軽度低エコー腫瘤を認めた。ERCP で上部胆管に陰影欠損像を認め,IDUS では管腔約1/4 周と接する乳頭状の低エコー腫瘤を認め,腫瘤内部に点状高エコーが多数混在していた。生検にてIPNB with high grade atypia と病理診断し,肝外胆管切除術,胆管空腸吻合術を行った。切除標本では肝外胆管内に乳頭状に増殖する腫瘍を認め,病理所見は腫瘍が胆管上皮と連続しているのは1 切片のみであり,他の部分は胆管内に浮かんでいた。最終病理診断はBp, Papillary type, 5 × 3mm, IPNB, pTis, pN0, pDM0, pHM0, pStage0 であった。(問題点)胆嚢癌とIPNBの腫瘍組織は類似しているが,スキップ病変や異時性再発と考えるべきか,新規病変と考えるべきか。