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P-43 MRI拡散強調画像から見た肝内胆管癌の腫瘍悪性度に関する検討

山田 眞一郎、島田 光生、森根 裕二、居村 暁、池本 哲也、荒川 悠佑、齋藤 裕、吉川 雅登、宮崎 克己
徳島大学 消化器・移植外科


【背景】近年、MRI 拡散強調画像のapparent diffusion coefficient (ADC) により腫瘍の悪性度を非侵襲的に評価可能できるという報告が散見されるが、肝内胆管癌に関する報告はない。今回、肝内胆管癌においてADC値による予後予測因子の可能性について検討した。【方法】初回肝切除を施行した腫瘤形成型肝内胆管癌28例を対象とした。MRI(Signa HDe 1.5T, Signa Explorer 1.5T, GE health care) でDWI(b 値:0, 20, 800mm/s) を撮像し、SYNAPSE VINCENT ( 富士フィルム) を用いてADC 値を算出した。中央値をcut off としてADC高値群(n=13)、低値群(n=13) に分類し、臨床病理学的因子について比較した。また、HIF-1 α免疫染色を施行し、その発現とADC 値との関連についても検討した。【結果】ADC 低値群で有意に高齢であったが、腫瘍径やリンパ節転移、脈管浸潤等の腫瘍因子に差は認めなかった。無再発生存率については両群間で差を認めなかったが、全生存率は低値群で有意に不良であった(p<0.05)。再発に対する切除率は、高値群で高い傾向にあった。全生存率における多変量解析では、肝門部腫瘍、門脈浸潤、ADC 低値が独立予後不良因子として同定された(p<0.05)。また、ADC 低値群において、HIF-1 α高発現の割合が有意に高かった(p<0.05)。【結語】肝内胆管癌においてADC 低値は独立予後不良因子であり、MRI により腫瘍評価のみならず、予後予測の一助となることが示唆された。