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P-48 術前診断が困難であった肝腫瘤の1例

菅野 裕樹1)、小嶋 聡生1)、酒井 久宗1)、水落 伸治2)、中島 収2)、奥田 康司1)
久留米大学 外科学講座1)、久留米大学 病理学講座2)


症例は42 歳,女性.2014 年から自己免疫性肝炎のため経過観察中であった.2015 年に肝S6/7 に指摘されていた低エコー腫瘤が増大傾向を認め2019 年1 月追加検査を施行した.腹部造影CT では造影効果を認めず,乏血性腫瘤と判断された.腹部造影MRI では早期相で淡い造影効果を認め,肝細胞相でdefect を呈していた.拡散強調画像では拡散制限を認めた.腹部造影US では血管相で全体が造影され,後血管相でdefect を呈していた.術前診断として肝細胞癌を否定できず,腹腔鏡下肝後区域切除を施行した.切除標本肉眼所見では境界明瞭な白色調の充実性腫瘤を認めた.組織学的には病変部は胚中心を伴うリンパ濾胞で構成されており,濾胞間には小型の肉芽種が多数認められ,Reactive lymphoid hyperplasia と診断された.討論のポイント:術前画像でHCC を否定できたか,生検を行えば手術を回避できたか.